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ゲームの話やら改造の紹介やら。更新停滞中。ゲームタイトルカテゴリはネタバレありきなのでご注意。  管理人@アキヤマ
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だいぶ遅くなっちゃいましたが、シャーマンキングが真・完結を迎えたので、レビューします。

上の写真は全部並べたつもりが14巻入れ忘れてたけど気にしない。


実は、読んでたらアニメが見たくなっちゃったのでアニメを見返していたら、また読み返したくなって…というループにはまってたので遅くなりました。

本当に、本当に、素晴らしい作品でした。

武井先生、ありがとうございました!!

そして、完全版発行に携わったスタッフの方々、お疲れ様でした。


衝撃の蜜柑(未完)エンドから早や数年…
「完全版で真・完結を!」というのは、全てのマンキンファンの願いでした。
無論、私も願ってました。
(ぶっちゃけ、ユンボルの連載が始まったときは「マンキン描いてくれよ!」と思ってました。)
そして、武井先生の願いでもあったはず。
だからこそ、あえて本誌連載の打ち切りが決まったあとの猶予期間で「完結」させず、「未完」のままに終了したのだと。
とはいえ、まさか本当にやってくれるだなんて、夢でも見てるんじゃないかと最初は我が目を疑いました。

「なんとかなる」

主人公のこのセリフがまさか、ここにきて先生自らの手で実現されようとは!


おまけにこの「シャーマンキング完全版」は、ただの完全版ではない。
380ページにも及ぶ「真・完結版」描き下ろし、400点以上にも及ぶカラーイラスト描き下ろし、もちろん各巻表紙の描き下ろし、全編にわたる細かい修正の数々、サブタイトルロゴの粋な修正、折込チラシでの武井先生のインタビュー…

もう、他のジャンプコミックの完全版が完璧に見劣りしまくりな豪華な内容に、「1冊1000円は高い」とか言ってる場合ではないのだ。
かつてマンキンが好きだった人も、読んだことないという人も、アニメは見てたけど…な人も、この素晴らしい作品をぜひ手にとってほしい。





表紙が豪華

シャーマンキングの世界で、もっとも重要な要素である「オーバーソウル」。
これは、シャーマンが「媒介に霊を憑依させる」というもので、作中では主に戦闘スタイルのことをさしています。
この「オーバーソウル」を、クリアカバーを使って表紙で再現させる、という粋な試みがまずすごい。






一見、フツーなメイデン様も…





クリアカバーを外すとこんなお姿に・・・!!


これにはスタッフの方々の苦労が滲んでいます。
通常、2.3回で済む色校正が2倍もかかったんだとか…(公式ガイドブック「マンタリテ」より)

おまけに、表紙をはずした背表紙にも粋なはからいが施されており、これは全巻並べると、な、なんと…!という仕様になっています。
ぜひともその目で確かめていただきたい。

それから、各巻の巻頭にも見開きカラー絵があり、これは背景が実写
(写真に、表紙を飾ったキャラクターを描き加えている感じ)
ロンドンやインドなど、リアルであったり壮大であったりする風景に、マンキンのキャラがポツンといるだけなのに、空気感が絶妙で、とにかくすごい。




ふんばりすぎな「原色魂図鑑」

要はキャラクター図鑑みたいなものが、各巻の巻頭にフルカラーで載ってるんですが、キャラクターだけでなくオーバーソウルまでも網羅してたりします。
それどころか、キャラクター一人とっても「通常服」だの「戦闘服」だの「甲縛式O・S」だのと、結局、計376点ものカラー描き下ろしを遂行しやがっている。
(更には天使体の別形態原色カラーバージョンも載っているので、実際には384点!)


し・かーも!



本編には出てこない、こんなん↑まで載っていやがる。

おまけにキャラクター一人一人の、本篇では語られていない過去の経緯なんかも事細かに掲載されており、正直「やりすぎだよ!武井!!」と叫ばずにはいられない仕様となっている。
あーもう、ホント、サイコーだよあんた!




サブタイトルロゴに注目

見比べてもらいたい。

 
 


左が通常コミックス。右が完全版。


    
 
  

全話ではないものの、サブタイに合ったロゴに書き直されているのが地味にすごい。
特にお気に入りなのが、この↑二つ。
シャーマンキングはサブタイのセンス自体も素晴らしいので、是非とも注目していただきたい。

「息クール」とか「くたばれSF(シャーマンファイト)」とか「んなことナイルズ」とか、なんかもうホント素晴らしいセンス。

SHAMAN×SHAMAN」というサブタイもある。




明らかにハンター×ハンターを意識している大胆さ。




え、「全然違うじゃん!」って?
でもコレ、もともとはこう↓だったから…




わざわざタイトルを下にっもってきてる辺りといい、意識はしていると思います。
でもさすがに、2段目を逆さまにする図太さはなかったようだ。




ラストワーヅのこだわりよう



各奇数巻に折込まれているチラシに、武井先生のインタビューが載っているのですが、ぶっちゃけトーク満載で面白いです。

ちなみに、公式ガイドブック「マンタリテ」に織り込まれているこの最後のラストワーヅの絵は、マンタリテの表紙と完全版1巻の表紙を、オーバーソウル交換こにした状態。



本編を読んでないヒトには「なんのこっちゃ」でしょうが、この演出はたまりません。

かつて、ジャンプ本誌で「未完」と「蜜柑」をかけて、連載最終話に唐突に「ミカン」を登場させた武井先生ですが、マンタリテの帯には、「完結」と「蜜柑」をかけて「柑橘」の文字が・・・。






ご丁寧にマタムネの詩が載ってるのも良いです。(右側)
無論、マタムネのイラスト(右下)も描き下ろし。
見えないけど右上のハオ様だって描き下ろし。
なんというか、粋です。ほんとこの完全版は粋なはからいがいきすぎている。




数々の修正

序盤の潤姉さんはほぼ全カット描き直されて、美人さんになってます(笑)

他にも、見比べないとわからないレベルでの修正がいたるところにあります。
「おいおい!武井やりすぎだよ!どうした!?」と、思わずマンガに話し掛けちゃうこと請け合いなレベルです。


 
 

こんな「ため息」までも修正されている。
よーく見ると、鼻や眉根あたりも修正されてるけどね。

見比べながら修正箇所を探すのも楽しくて、なかなかやめられません。。




仏ゾーンとの繋がり





知る人ぞ知る、武井先生の初連載作品にして打ち切り(涙)作品『仏ゾーン』全3巻。
(文庫版で全2巻)
ファンの間では「まぁまぁ、そういうことなんだろ」と思われていたことながら、『仏ゾーン』と『シャーマンキング』の世界観が繋がっていることが、完全版のキャラクター図鑑で明らかになりました。

(私的には、同じキャラクターが別口で出てくるのでパラレルワールド的なものだと思ってましたが、その辺も含めて、完全版では「そうクルかぁー!!」って感じの設定がお披露目されてます)




『仏ゾーン』の主人公、千手観音菩薩のセンジュくんが、マンキンでは大日如来のダイニチくんにおなりになりました。
元々、「菩薩」というのは「如来」を目指す修行僧なんでしたっけ…。

シャーマンキング本編ではオーバーソウルした状態でのごっつい仏様な姿しか出てこず、この姿が拝めるのはこのページのみ。

『仏ゾーン』もおもしろいので、興味のあるヒトはぜひ読んでみてください。
打ち切り作品なので物語が始まる前に終わっちゃったような感じも否めませんが、まぁ、すべてがマンキンのほうで拾われているので、併せて読めばいいと思います!



ついでに『封神演義』とのつながりも(笑)




公式ガイドブック『マンタリテ』に載っている一文↑

ハイ、太公望のことですね、わかります。
これは過去のシャーマンファイトの出来事などが書かれているコーナーなので、かつて望ちゃんはシャーマンファイトに参加したことになってますね。
このたった一文を目にして、チーム編成とかを考えてウキウキしちゃったのは内緒です。




真・完結によせて

正直、どういう終わりになるのかは大体わかっていた。
コミックスには、書き下ろしで「数年後」のエピソードが描かれており、これを読む限り、「まぁ、こういうアレになってこんな感じでそうなったんだろな」というのがなんとなく脳内補完できるようになっていた。

だが、真・完結の内容は、そんな脳内補完がいかに「ちっちぇ」ものであるかを鮮烈に感じさせてくれた。
おおまかな流れはたしかに予想通りではあった。が、しかし。
迫力のある戦闘シーンや、1コマ1コマ丁寧に描かれたその世界観、一人一人の生き生きとした表情、鮮明に描き出された個々の感情や、言葉一つ一つの重さは、マンガという媒体あってこそ得られるわけで、そこには数々の「感動」があった。

武井先生本人も言っているが、これは本誌連載では出来なかった(※)であろう、「完全版ならではの終焉」である。
そういう意味では、打ち切りに泣いたあの日の涙も無駄ではなかったと。
こういう形での完結でむしろ良かったとも思える。
(※週刊連載だとどうしてもアンケートに左右されたり、「終わり」がきっかり見えなかったりで、ペース配分もできない、などの理由)

今でこそ「結果オーライ」になったものの、連載当時のあのころ、「物語を終わらせないまま連載を終了させる」という事態は、極めて異例なことであったし、「大人の事情」なんかを知らない「少年」向け雑誌において、この決断をした武井先生の心中たるや、到底私なんかが語れるようなものではないでしょう。

ジャンプ編集部には苦情が殺到したと聞くし、同時に連載再開の願望も多く届いたらしかったが、その後、コミックス最終巻発売を最後に3年間の沈黙に入った。
その間、武井先生はジャンプ本誌で新連載を開始したりもしたけど、これまた打ち切り・・・

武井先生自らが、「『いつか』のために、『こういう(蜜柑エンド)決断』をした」という発言をされており、それはおそらく「完全版での完結に違いない!」と、多くのファンは期待した。けれど同時に、「そんな『いつか』が本当にくるのか」と、不安も抱えていた。
正直、『シャーマンキング』はかねてより大好きな漫画ではありながらも、コミックの終盤を読むのは辛かった。
武井先生のコメントとかも、ギリギリな精神状態が見え隠れしているのもあるし、なにより「彼らの明日」が永遠に来ない…というのが、辛かった。

そんなファンの『心』に、武井先生は200%の心意気で応えてくれた。
こんなこと、未だかつてあっただろうか。
こんな漫画家が他にいるだろうか。


もう一度言います。そして何度だって言いたい。

武井先生、ありがとうございました。


シャーマンキングに出会えて本当に良かった!







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